遺産分割協議書を作らないとどうなりますか?
遺産分割協議書を作らなくてもよいのはどのような場合ですか?
相続が発生したとき、遺産分割協議書は、必ず作らなくてはならないというものではありません。
相続人が1人しかいない場合や、そもそも相続財産がないような場合には、遺産分割協議書を作成する必要はないでしょう。
また有効な遺言書があってすべて財産の分け方が決まっているようなには、原則としてその遺言書によることとなり、その場合も、遺産分割協議書を作る必要はないでしょう。
ただし、遺言によって財産を取得できる人と、相続人全員の合意があれば、遺言と異なる内容で遺産分割をすることも可能です。
遺産分割協議書を作るのはどのような場合ですか?
遺産分割相続財産があり、複数の相続人がいて、遺言書がない場合には、遺産分割の話し合いをする必要があります。
話し合いがまとまった場合には、合意した内容を遺産分割協議書として書面に残しておくことになります。
遺産分割協議書を作らないとどうなりますか?
相続人の間で、口約束で分割の仕方を決めたとしても、書面を作成しないと、遺産分割の内容を明確に証明する資料がなく、後になってから相続人同士でトラブルの原因となります。
話し合いの経過においては、話がまとまったと思い込んでいても、いざ書面にしようとすると、まとまらないということは起こりうることです。
また、遺産分割協議書は、預貯金の解約や相続登記などで必要となるため、遺産分割協議書を作らないと、それらの手続が進められません。
相続登記などは、法定相続分で登記することは可能ですが、共有にしておくことは煩雑であり、一般的にあまり望ましくはなく、早めに話し合いをして取得者を決めておくのがよいでしょう。
さらに、相続税の申告時に、法定相続分と異なる分け方をするような場合には、遺産分割協議書を作らないと、そのような相続税の申告ができないことになります。
そのほか、相続税の申告時に、特例の適用を受けるには、遺産分割協議が完了していることが前提となるので、遺産分割協議書を作らないと、このような特例の適用を受けられません。
ただし、申告期限までに遺産分割が行われていない場合でも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておけば、相続税の申告期限から3年以内に未分割の財産が分割された場合、遡って特例の適用を受けることができます。その場合は、やはり遺産分割協議書を作り、特例の適用を受けることになります。
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